ヴァレンタイン・デーがお誕生日の友人に会うので、プレゼントをつくった。
この友人は不思議なヒトで、ずいぶん前から独り部屋を持っている。
日本でも有数の贅沢な住宅地にすてきなマンションを所有していて、とてもハンサムな夫と暮らしているのに、彼女は週のほとんどを学生街のワンルームで独りで過ごしているのだ。
あんなにリュックスな住まいをどうして愉しまないのかしら・・と訝しく思っていたけれど、簡素なワンルームに友人たちを招いたり、(私もそのワンルームに伺うのだけれど)フランス語を教えたり、習ったりして嬉々と暮らしているらしい。
今や、私も欲しい「夢のリトリートハウス」
「先輩」にやりくりなど、指南してもらうつもり。
人は皆、避難場所がいるのかもしれない・・と思ったりもする。
どんなに恵まれた住環境であっても、だ。
この本で知ったYSLの隠れ家は、彼とピエール・ベルジェのいくつもの愛の館とまったく違った室内装飾だった。
とてもモダーンで明かるく、テラスからはエッフェル塔が望め、居心地の良さそうなベージュのソファにアフリカの彫刻やスツールが配され、YSLのプライベートコレクションの黒人ボクサーの写真が印象的なペントハウス。
このボクサーを撮った女性写真家Martine BarratはYSLがオランにいた青春時代にすでに知っていたのだという。
YSLのようにいくつもの家はないけれど、そして、比較のしようもないのだけれど、今私がいる家にとても不満がある訳ではない。オフィスワークができる気持ちのいい小部屋もあるし、ボロだけどアトリエだって持っている。週に一回はT夫人がお掃除もしてくれる。だけれど、、、
やっぱり、欲しい、夢のリトリートハウス !
リトリートハウスの住人に針金でつくったプレゼントを持って会いにいこう。
彼女の本宅、豪華マンションにはふさわしくないけれど、
ワンルームには似合いそう。