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映画 アーカイブ

2007年04月27日

ココシリ

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考えさせられる映画でした。
このような壮絶な、想像を絶する世界がある・・・
実話だ、と聞くとなおさら、胸に迫ります。

ふらりと入った自然食レストランで見かけたこのチラシに惹かれて、観た「ココシリ」。
劇場公開は昨年夏だったらしいのですか、ボランティア団体が運営する上映会で観ることができました。


舞台は中国最後の秘境といわれるココシリ。
ここに生息するチベットカモシカ。この密猟を巡るチベット族の男たちの物語です。

チベットカモシカの毛は最高級毛織物シャトゥーシュの原料。
高値で取引されるので、乱獲により絶滅の危機に瀕していた頃の話です。

シャトゥーシュはリングショールともいわれ、指輪に通るほど、軽く暖かな毛織物ですが、ワシントン条約により、国際取引は1975年禁止されています。チベットカモシカの1本の毛は人間の毛髪の8分の1の細さ、零下20度という過酷な環境で生息するため、その毛は非常に暖かで、何年か前に流行したパシュミナの最高級品版のようなものらしい。
禁止されてはいるものの、ブラックマーケットで1万ドルで取引されていたり、日本でも、10年前には有名店銀座Sなどでも販売されていたようです。

ココシリではチベットカモシカの密猟が相次ぎ、20年間の間に100万頭から1万頭に激変、密猟者を追う山岳パトロール隊が結成されました。しかし、実際に密猟に手を下す者もパトロール隊と同じチベット族。生活のため、チベットカモシカを獲って皮を剥ぐのです。
密猟者を追って、山岳パトロール隊の隊長は無給で働く隊員たちとチベットカモシカのいる山に入ります。
そのパトロールに北京からやって来たジャーナリストが同行します。
それらの日々は、密猟者に皮を剥がれたチベットカモシカの数百頭の屍を荼毘に付し、密猟者たちと銃撃を繰り返し、どこまでも、追いつめ、パトロール隊も密猟者も犠牲者を出しながらそれでも続くパトロール。

ひとり生き残ったジャーナリストが発表した記事が反響を巻き起こし、ついには中国政府を動かし、自然保護管理局が設立されました。
山岳パトロール隊の大いなる犠牲のもと、チベットカモシカの数は回復している、ということです。

真理とは何なのか、私は暖かな場所にいて、それでも考えずにはいられませんでした。

**DVD「ココシリ
***チベットカモシカ
****写真の布はチベットのエプロン。。。

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2008年09月30日

赤い風船

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えっ・・今ごろ赤い風船ですか・・
なぁんていわないでくださいね。
映画「赤い風船」を観たのは夏・・でした。

'50年代の巴里。それも下町メニルモンタン。単純にこの年代のこの町の情景を見られるだけでもうれしいのに、この短編は朝露のようなキラメキを持った映画でした。
まさにファンタジー。

この余韻が醒めやらぬある日、愛書狂が「赤と白があったよー」と持って来てくれたのがこの本です。独りで本が読めるようになった子供のための、絵本のようなペーパーバック、livre de pocheの「赤い風船」
「赤と白あったよー」の白は「赤い風船」と同時上映されていた「白い馬」の本か、と思いきや・・イラン映画「白い風船」でした・・残念。
どうやら「白い馬」版も出版されたもようですが。

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映画のシーンが切り取られて、

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映画よりもちょっぴり詳しいテクストではパスカル少年の背景が少し説明されています。

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でも、映画あっての本。というカンジです。
だって、スチールだと風船が動かないもの !!

**「赤い風船」全編


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