ファーブルの庭
たった1枚の写真に魅せられて買った本です。
この写真↓を見たとたん、手放せなくなりました。
どうです、この風体。ずば抜けて奇妙。
奇妙もここまでくると、人の心を摑んで離しません。
もう、私の心を鷲掴みです。
そして、この眼差し。
好奇心いっぱいの眼。
1910年頃のファーブルさんです。
取り立てて「虫」に興味がある訳でもないし、ましてやジャン=アンリ・ファーブルに特別の関心を持っても来なかったのに、不思議です。
しかし、今までも、一枚の写真に魅了されて、ずいぶん、雑誌や本を買ってきました。
それも何故か、写真的な写真ではなく、スナップのような写真に惹かれて。
写真は長年とても興味のある分野だし、好きな写真家も数多くいる。
なのになのに、ゼッタイ欲しい、と私を書物購入モードにさせるのはフツー(っぽい)のたった一枚の写真なのです。
で、この本ですが、さらにページをめくると、
こんな写真が・・・
「ファーブルの手」です。
この手で 昆虫や植物、鉱物の観察をし、また、昆虫記を著したのですね。
繊細で優しそうな手・・・
子供の頃なかなかアルファベットを覚えられなかったファーブルがそれをマスターできたのは、動物の頭文字でABCを教えてくれる絵本だった、といいます。その絵本で、瞬く間に字が読めるようになった少年はご褒美にラ・フォンテーヌの「寓話集」を貰います。動物の話は少年の興味を引きつけ、彼の知的好奇心は急速に広がっていきました。
ファーブルの少年期に このような偶然ー2冊の本との出会いーがなかったら「昆虫記」は生まれなかったかもしれませんね。
そして、これはラボのファーブル。
南フランスの彼の仕事部屋は現在 博物館になっているそうです。
いつか訪ねたい、と思わせる写真です。
「ほんの数分でいいから犬の野生の脳で考え、はえの複眼で世界を眺めてみることはできないものか‥」(ファーブル昆虫記第4巻17章/「ファーブルの庭」NHK出版 渡辺広佐訳より)
フランス革命の100年後に建設されたエッフェル塔をファーブルが見たのかどうかわかりませんが、ファーブル65歳の時でした。
Jean-Henri Fabre1823ー1915