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旅 アーカイブ

2005年04月29日

パリからノルマンディへ

まだ、寒かった日本を発って、ミラノ、パリと移動している間に、すっかり、春になりました。ミラノでは桜をたくさん見たし、パリでも、日に日に花々が競うように咲き誇っています。

街角で、まるで、薄紫のペールを掛けたような木の集団 ? と遭遇しました。よーく見ると、それはとてもちいさな花のようでした。「桐の木よ」と教えてくれたのは、レイコ・クルックさん。レイコさんは、特殊メークアップの第一人者で、造形作家でもあります。30年前に初めて来たパリで、お会いして以来、私の「憧れの女性」なのです。
そんな憧れのレイコさんと、週末をノルマンディで過ごすことになりました。目的地は、リジィユー。ここには、レイコさんの友人、シルヴィーが住んでいます。

サンラザール駅からリジィユーまで、約1時間半の列車の旅。車窓から、街の風景が消えると、白い花をつけ始めた林檎の木と菜の花の黄色い絨毯(月並みな表現ながら、まさに、そう ! )が交互に現れては遠ざかっていきました。
あ、そうか。リンゴ酒、シードルはノルマンディのお酒だった ! と思い至りました。それにカルバドスも、ね。

シルヴィーの家はちいさな可愛い田舎家で、広ーいお庭がありました。お庭の中に小川が流れ、川のほとりにはシルヴィーが植えた菖蒲のような花が‥‥わぁー、これって絵に描いたような田舎のオウチ。何もかもが、カワイイのです。お庭でのアペリチフとか、屋根裏の寝室とか。あまりに可愛くて、写真を撮るのさえ、忘れてしまいました。

リジィユーの町で買ったお魚と、木イチゴのバルサミコで作ったドレッシングのグリーンサラダ、サフランライスの夕食が終わる頃、肌寒くなっきて、シルヴィーが暖炉に火を入れてくれました。古い田舎家の暖炉の燃え盛る火を見ていると、時を遡ってゆくような、奇妙な感覚に見舞われました。たぶん、暗闇の中で見えるのは「炎」だけ、だったからでしょう。それに、ここには、時を経て、使い込まれた家具や道具しか置かれていないから、かもしれません。その上、話題は19世紀末の詩人RdMだし‥

田舎の夜は漆黒の闇。明日に備えて早めに寝ます。
明日はオンフルールから、トルーヴィル・ドーヴィルを訪ねます。dabadabada(やっぱり、アホかって云わんといて)


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2005年05月01日

パリ2

ミラノ・サローネに行ったついでに、パリに来ています。ミラノとパリは近いと思っていたら、飛行機会社のストで、なーんと、10時間もかかってしまいました。ミラノ・マルペンサ空港、午後1時過ぎフライトの予定は午後8時に。その代替機も遅れて、8時間以上も空港で待つ羽目になってしまいました。
そんなにして、着いたパリも今日で二週間。あと数日で帰国か、と思うと、ちょっぴり、さみしい。やはり、パリは美しい街でした。この週末から、夏のような暑さです。昨日、ノルマンディからパリに着いて、サンラザール駅で乗ったタクシーの運転手はランニング姿 ! パリは摂氏33度 !! だって。ノルマンディ・ドーヴィルでも海水浴をしていました。海水浴といっても、こちらの方々は、あまり泳がず、日光浴ばかりしていましたが。
今日はヴァンブの蚤の市に行きます。先週も行ったのですが、着いたら、もう、お店はアトカタも無く、市の清掃職員が掃除をしていました。午後2時までには片付けてしまうようです。
本当に久し振りのヴァンブの市ですが、何か、すてきな何かに出合えるでしょうか。

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エッフェル塔で、という名のcafe発見。そういえば、ありそう。でも知らなかった。エッフェル塔コレクターとしては毎日通いたかったcafeですが、一度昼食に行っただけ。ニース風サラダを食べた。
次回は常連になりたい !

でもでも、と、ここからは、帰国後の追記ですが、(エッフェル塔コレクター以外の方々には ! )15区コメルス通り界隈では、写真の教会前のカフェより、コメルス広場に面したカフェの方が、オススメかも。
帰ってから、懐かしくて、「ガイドプックにないパリ案内」(稲葉宏爾著)をぱらぱら見ていたら、「ちいさな教会前の商店街、コメルス通り」というページがあって、コメルス広場は、19世紀のキオスク・ア・ミュージック(円形音楽堂)を中心とした小公園であることや、この公園に面した「カフェは居心地がいいし」なんて記述に出合いました。
そういえば、このカルティエに住むレイコ・クルック(ニューズウィーク誌が選ぶ世界が尊敬する日本人100人に「顔面のシェフ」として紹介されたアーティスト)さんからも、このカフェが「気持ちいいよ」って教えてもらっていたのだけれど‥

2008年01月23日

雪の本島

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雪の日、瀬戸内海の島に来ました。
四国に雪は珍しい、という日・・

同道したヤツらに(失礼。) 何でこんな雪や霙のなかを辺鄙な島などに連れて行かれるのか、と訝られながら、香川県丸亀港から船に乗ること20分・・

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本島に着いた頃、みぞれは雨になりました。
あ〜ぁ晴れだったらレンタサイクルで走り回れるのに、と残念極まりなかったのですが、
目指す笠島集落の道中、こんなカワイイ風景に出会いました。


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不思議な小屋や・・


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民家の壁に突如現われた恵比寿さま・・


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庭に置かれた小学校の椅子・・


こんな風景を見ながら、人も車もまったく通らない道や村落を歩きながら笠島地区を探します。
誰かに道を尋ねようと思っても辺りは無人・・
仕方なく民家の戸をノックしても人の気配すらない・・
でも、戸はがらりと開きます。
数軒目にしてようやく御婦人が出て来られました。
親切にも雨の中を近道のところまで、この御婦人にご案内いただいて、ようやく笠島に到着。

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二十八もの島々からなる塩飽(しわく)諸島の中心・本島、江戸に栄えた名残りをとどめています。

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スゴイ名前の通りでしょ。
「町家通り」が訛って江戸期から「マッチョ通り」と呼び慣わされているそうです。
この通名のように町家がたくさん残っています。
そのうちの三軒は見学ができます。

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雨の中、真木邸を見つけて入ると・・
「お待ちしてました」の声が・・
そんな訳はないのに、、、
「雨の中をようお越しやした・・」と勝手に、なぜか京ことばに転換して理解してしまいました。
ことばも真木邸の中も温ったかかった。


実はこの忘れ去られたような島を知ったのは、私の写真の師匠 喜多章さんのおかげなのです。
喜多章さんが本島を訪ねられたのは9年前。
その時の写真がこれです。
他にも本島の写真をたくさん撮られています。

さりげなくカメラを向けたかのようで、キリッとした目線が結果としていつもある、そんな写真が撮れるなんて出来そうで出来ない・・
持って生まれた独特の感性だと感嘆せずにはいられないのです。

今日も師匠のブログには日本のどこかのちいさな町や村が・・
切り取られた日本の景色は限りなく懐かしく美しい。
疲れた時や眠りにつく前の私の常備薬、癒し薬になっております。
ふーぅ。

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で、本島ですが、次の目的地の関係で、数時間の滞在だったのですが、再訪したいと思わせる場所でした。
快晴の日に、ね !!

2010年12月31日

少女

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晩夏に短い休暇をとってチェンマイにいってきました。
この少女はチェンマイ近郊の少数民族の村にいました。

案内してくれたガイドのプーさんの話によると、満月の水曜日に生まれた女の子は首に輪っかを嵌めるのだそうです。そう、首長族です。
ここはタイ政府が観光用にいろいろな部族の村を忠実につくったところ。アカ族やリス族も住んでいます。観光用、とはいえ、電気もなく稲作などもしていて、それぞれの部族の生活がまさにあるような気さえします。

この少女はまだちいさいのにお化粧もしていて とてもきれい。
だけれど、痛々しい気もして強い印象を持ちました。

いくら観光用の村、といっても好き勝手にパチパチとシャッターは切れませんでした。
プーさんに聞くと、この少女の売っているものを何か買って写させてもらえばいいんじゃない、というので、、

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これを買いました。

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首に巻かれた輪っかとおなじ、真鍮の針金でつくられた指輪です。
彼女たちが首に巻いている輪っかとおなじものを手に持たせてもらいました。
すんごく重い。
生涯はずすことはできないし、もしはずしたら、首の骨が折れてしまう。

このリングを見ると、この少女と、隣にいた、赤ちゃんにおっぱいをあげていたうつくしい女性を思い出します。

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旅は日常の「あたりまえ」を壊してくれます。
すぐにまた日常の戻ってしまうのですけれど。

みなさま、どうぞいい御年を。

2012年01月20日

異国のドラゴン

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(そっとちいさな声で)今年もよろしくお願いします。

今年の夢はリトリートハウス。
この異国のドラゴンの地に ?
いえ、実現をめざして近場にするつもりです。
でも、ハウスは無理でルームかな。。


この方のretreat houseはアンバリッド近くのペントハウス。
デコレーターはJacques Grange
アントニオーニの映画がイメージのインテリア・・・
羨まし過ぎ!!


2013年09月09日

イスタンブール

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2020オリンピックは東京。ですね。
イスタンブール。残念。

今年、新年を迎えたイスタンブールはとてもいい街でした。
偶然に行った街です。
年末から新年の予定が直前になっても決まらず、タイに行くつもりが叶わず、
イスタンブールになってしまって。

そんな訳で何の予備知識も期待もなく行ったのですが、、
すばらしい街でした。

写真はちいさなホテル『セブン・ヒルズ』の屋上からの眺め。
アヤソフィアが望めます。残念ながら、ここに泊まったわけではなく、
旅の達人、といっても若い女性ですが、のお宿に偶然お邪魔したときに撮ったもの。
ここで朝食・・なのだそう。うらやましい限り。

オリンピックのニュースをきいて、イスタンブールの写真を見てみたくなりました。
いえ、べつに、東京に決まっていやな訳ではまったくありません。
少し前にはデモがあったりして、気に入った街の動向には目がいってしまいます。

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アヤソフィアの内部と、、

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↑外観。

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これはブルーモスク、トプカプ宮殿
とてもきれいですね。

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眺望随一、丘の上にあるピエール・ロチのカフェ。
ロチが『アジアデ』を執筆したといわれている愛書狂おすすめの場所。
この丘の中腹あたりにはロチがアジアデと逢い引きを重ねた墓地がありました。

愛書狂はこのカフェで『アジアデ』を傍らに、トルコティーを飲みたかったのだそうです。
で、街中の書店でわざわざ『アジアデ』を買い求めてからこのカフェのある丘にのぼったのですが・・

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なんと、『アジアデ』はピエール・ロチショップにもありました。
それも、街の書店の半額で !
愛書狂の落胆はいかばかりか !

愛書家のみなさま、お買い求めはこちらでどうぞ。

コンスタンチノープルという響きもすてきな、
また、戻りたくなる場所でした。