お菓子甘泉堂銘「都をどり」
針金の師匠、林雄三さんが京都で個展をやっていたので、自作を持って、講評をしてもらいに行きました。
一瞥して、「俺がつくったのと変わんねぇじゃん」と言っていた師匠ですが、よーく見ているうちに、
「触ってたら、直してしまいそうだよなぁ」。
と、丁寧な解説付きで、手ほどきを。
なんだなんだ、やっぱり、弟子は弟子(は私です)の出来なんだ、と思いながらも有難く受講 ? してきました。
せっかくの京都なので、師匠の用事にくっついて、祇園のAvec TAROへ。
ここは京都のブティック(もう死語かなぁ‥わかります? )の草分け的な(帽子とお洋服の)お店です。
Avec TAROの天才的販売員ミヨコさんも一緒にゴハンを食べに行こう、ということになりました。
「う〜ん、安うて美味しい店 ? そや、あそこにしよ」とミヨコさん。
ニット作家の山田さきこさんも合流して移動中、通り掛かった「いづ重」前で、
「ここのお稲荷さん、おいしいえぇ。「ぷちっ」が入ってるし」とミヨコさん。
この場合、即、買いです、私。
おいしそうでしょ。
因みに「ぷちっ」は「おのみ」です。そういえば、おのみ不在の、いなり寿司多し。
↑これは「いづ重」の入り口にあった火災守護の松明 (の燃えかす)。
祇園祭、神輿洗の松明で、御神輿が通る道を大松明で清めるのだとか。
ちらっと見える粽といい、この使用済み ! 松明といい、んんん何気に京都っぽい。
で、ミヨコさんが案内してくださったお店はココ「かね正」
↓この路地(京都の人はロオジという)の奥にある鰻屋さんです。
ミヨコさん : 「知らんかぁ、ここは鰻茶漬けが有名えぇ」
けれど、錦糸丼など、にしました。
カウンターの中の炉で目の前で焼いてくれます。
(肝が、おーいしかった。次回は鰻茶漬けにしよう‥)
祇園で生まれ育ったミヨコさんと「かね正」のコウスケ君(海老蔵ファンの美青年! )の会話が、部外者の我々には面白く、
どこどこの舞妓ちゃん、別嬪さん‥、
もう、「都をどり」、行かはった ?
とか、その他ディープな祇園の小咄など、楽しませてもらいました。
この「祇園が庭」の御二人のよると、「都をどり」は必見だそう。
「そんなん、お座敷に呼んだら、数万円の芸が、オーケストラ付き、お茶・お皿付きで4300円やし。地方(じかた、と読み、囃子方のこと)も「都をどり」は生(なま)えぇ。」
ヨイヤサアの掛け声ではじまる一糸乱れぬ総踊りが見ものです。
芸舞妓がずらっと並ぶ総踊り、通の御二人の話では、中にオヘチャさんが混じるのが、また、いいのだとか。
コウスケ君は「オヘチャさんがいはらへんかったら、寂しい、さみしい。」と言ってました。
そんなもんですかねー
長い間、私も行ってませんけれど、「都をどり」のお皿は大切に普段使いの菓子皿にしています。
これまた、祇園の多くの料理屋では、この季節にだけ、お客さまに出すために、「都をどり」のお皿を数十枚単位で手元に置いているのだそうです。
「ウチ(その料理屋さんのコト)は、これだけ(お皿の枚数分だけ)都をどりに行ってますえ〜、ということやし」とは、ミヨコさんの弁でした。
ふむ、ふぅむ、花街の春でした。
「ナンにもあらへんけど、朝堀りの筍、どうぞ」とAvec TAROでゴハンに行く前に出してくれた、ミヨコさんお手製の「虫養ひ」
おおきに、美味しおした。
都をどり
京都・祇園甲部歌舞練場 4月末まで
**MOLESKIN 京都版、来年発売予定ですって。