« 2007年04月 | メイン | 2007年06月 »

2007年05月 アーカイブ

2007年05月05日

水色のエッフェル塔

gui.JPG

シャイヨー宮に佇む美女。
ソワレに行くような装いで何故ここに ? と不思議な絵です。
水色のエッフェル塔の左に見えるのは、多分、アンバリッド廃兵院。
初夏の宵でしょうか‥

澄ましているような、あるいは思わせぶりにも見える女性の横顔。
よーく見ると、絵というより、なんか、広告っぽいですよね。
それも、ずいぶん、古いイメージです。
それもそのはずで、実は、この通り、古びた箱のパッケージデザインです。

GUI-2.JPG
29×21.5×2.5㎝

エッフェル塔に惹かれて入手したので、詳しいことは何もわかりませんが、60年代頃のものでしょうか。
ランジェリー専門店のもののようです。
以前の持ち主はこの箱を入れ物にしていたらしく、上部と横に「花と蝶」とペン書きの文字があります。
'Fleurs et papillons' ???
いったい何を入れていたのでしょう・・・

*
*この水彩画にはGRIMOUDとサインがあるのですが、不明。
**GRUAUでなくてザンネン‥

2007年05月08日

ENTREZ LENTEMENTーゆっくりお入りください

entrez lentement-2.JPG

たった一度しか行ったことのない場所
そして、もう そこへ行くことなどないであろう場所
なのに、印象的な場所

そんな場所があります

ここは とても天井が高く
座るとなお、高く
しばらく、静かに居たい場所でした

entrez lentement.JPG

連休も忙しい日々だったからか、突然、この場所を思い出しました

*'ENTREZ LENTEMENT' EILEEN GRAY E-1027
**milano salone 2005
***ENTREZ LENTEMENTーゆっくりお入りください

2007年05月17日

アフガニスタン絨毯 デザインワークショップ

chauve-souris-tapis.JPG45×45㎝


一風変わった この絨毯は、3年前にオーダーしたもの。
好みのデザインで絨毯をオーダーするなんて、贅沢なようですけれど、実は こんなプロジェクトに賛同して実現しました。

世界でたった一枚、自分のために織られる絨毯をオーダーしてみませんか、と今年もMOGU VILLAGE Project が参加を呼びかけています。

ペルシャ絨毯の源流を成す といわれるアフガニスタン絨毯。
1日に織ることができるのは、60cm幅の絨毯で たった 3cmという完全な手作業だそうです。
写真の「蝙蝠の絨毯」も なるほど しっかり 織り上がっています。
100年使ってもくたびれない堅牢さ。
しかも、図柄は好きなようにデザインできます。

前回は1/2の縮尺でデザイン画をおこさなきゃいけなかったのですが、今回は 適当に描けばいいのだそう。
この時も展示があったのですけれど、それぞれシンプルなのや、とても細かい図柄のものがあったりして、面白かった。(因みにどんなに細かいのも そうでないのも値段は同じ・・)
子供の絵を そのまま使ってあったり、書を文様にした絨毯もありました。


私たちが絨毯をオーダーすることによって、アフガニスタンの人たち には就労の機会が生まれる という素晴らしいプロジェクト。
完成した絨毯は伊丹市立工芸センターで、2008年2月7日〜3月2日まで展示されます。


また、デザイン指導が受けられる grafの服部滋樹氏によるワークショップも開かれます。

デザインワークショップ

2007年5月19日(土)14:00〜17:00
会場 伊丹市工芸センター 072-772-5557
参加費 2000円
絨毯作成費 12800円(45cm×45cm) 32800円(60cm×90cm) 98000円(100cm×150cm)

なお、このワークショップに参加しなくても、絨毯のオーダーはできます。
詳しくは伊丹市立工芸センターまで。


chauve-souris-fenetre.JPG

ところで、絨毯の蝙蝠マーク?は、愛書狂の 'ご趣味' です。
絨毯の図柄の なんだか解読不可能な白っぽい文字はロベール・ド・モンテスキュウのサイン。
蝙蝠はモンテスキュウの詩集のタイトル 'Les chauve-souris' から らしい。
蝙蝠は愛書狂の書庫↑や煎茶室の引き戸↓にも数匹生息しております。

kafumori.JPG

2007年05月22日

パセリのブーケ

persil.JPG

パセリを たくさん 貰ったので、「食べるブーケ」にしました。
緑が美しかったので、テーブルに置いています。

だから、ごはんの時はハサミを持って食卓につきます。
ぱちんぱちんと、こんな殺風景なお皿に緑を散らしたりして。

persil-plat.JPG

この一皿は付け合わせの野菜料理ですが、調理の前に、野菜を切って干してあります。
野菜を天日に干すと美味しいよ、と教わったので、即、実行。

こうやって、焼く野菜でいちばん好きなのが、カリフラワーとフェンネルなのですが、オーブンで焼くと火が通り過ぎて、食感がなくなってしまうのが、悩みでした。
だけれど、野菜を干すと、適当なコリコリ感が残るんです !!
あ、フェンネルはどうなるか、わかりません。
最近入手できなくなってしまったので‥
少し前までは近くのマーケットで、フェンネルの(売れ残りの)叩き売りに よく 遭遇していたのですが、あまりに売れなさ過ぎたからか、とうとう、姿を消してしまいました。
売れなくて、叩き売りをしていたので、良かったといえばそうなのですが、いつも、叩き売りでは‥‥ね。

この叩き売りフェンネルには、明らかに私の競争相手が一人いて、30%オフあたりで50%オフを狙って、迷っていると、敵にまんまとフェンネルを持っていかれてしまうのです。この目に見えぬ会ったこともない相手との駆け引きに一喜一憂しているうちに、とうとう、フェンネル御引退。時々、定価で買っておけば、良かったかなぁ‥

あの、アニスにも似た甘い香りが懐かしい。


パセリの話がフェンネルになってしまいましたね。
パセリも細かく切るとオイシイです・・・

2007年05月28日

桐の花

桐-1.JPG

木の実のように見えるこの植物は 桐の花
この固そうな茶色い まんまるから花が咲きます。
茶色のまんまるが押し開かれて長細い花が顔を出す、なんて、この段階では信じられないのですが・・・

桐の花.JPG


ほら、こんな風に・・・
開花は まだなのですが、もうすぐ薄紫に色付いて・・

不思議な造形の茶色のまんまるだった部分は萼だったようです。
開花時に この木々を眺めると花々が薄紫のベールように見えるのです。

桐-eiffel-1.JPG

5月のパリでパープルヘイズみたいな この木の集団をよく見かけました。
桐の花よ、と教えてくれたのはレイコ・クルックさん。
特殊メークアップアーティスト、そして、造形作家。私が尊敬し、お手本にしたいと常々思っている女性のひとりです。


モーブ色の桐の花を初めて見たのが、パリだったせいでしょうか、西洋の木、というイメージを持ったのですが、日本でもお馴染みでした。
ほら、桐の下駄とか、桐の簞笥などなど。

「桐の花」の木製品がたくさんあるということは、桐の木もあって良さそうなのに、街角では あまり見かけません。
どこかに「桐の山」か 「桐の林」があるのかもしれませんね。

ずいぶん前に読んだ 明治以降の茶道千家をモデルにした物語のなかで、裏両千家の屋敷の境にあった桐の木が、火災の時に霧のような水滴が立ち、裏千家(と思われる)を救った‥なんていうエピソードがあったように思ったのですが・・・
今、ググってみたら、桐の木ではなく、どうも、銀杏の樹のようです。
銀杏の大樹に比べると桐は華奢そうだし、火は消せそうにないのですが、桐の木の方が霧を発生させるイメージなんだけどなぁ・・・なんて、独り言。

愛書狂は「桐の花」といえば、白秋だ、と仰っておりますが、
これは、間違いなさそう、です。




**表千家不審菴のサイトは、私のような茶の心得などない者でも ずいぶん楽しめます。
茶道を広く簡潔に紹介していて 世界の喫茶史、なんてぺージも。


追記 5/29

***レイコ・クルックさんが25ans7月号に「一目女」というタイトルで紹介されています。

機会があれば、本屋で立ち読みしてくださいね。(P277〜282)