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2008年04月 アーカイブ

2008年04月08日

下駄でコイコイ

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細江英公の写真に"海辺のコイコイ"という作品があって、いい写真だなぁと思っていたのですが、被写体の女性の装いから判断して、緻密にセッティングして撮影されたものだと想像していました。

写真は、海辺に浴衣のようなものを着た男と、白い肘を被うほど長い手袋をしてキャプリーヌを目深に冠りハイヒールを履いた女性が砂の上に座っているツーショットです。男は着物の袖をまくり、女は白い手袋に覆われた手で花札を持ち、砂の上の座布団に今にも一手指そうかというタイミングで、細江英公のカメラは海をバックに二人を真横から捉えています。

男は澁澤龍彦。
女は矢川澄子。
1965年頃。

二人の間には砂の上の座布団。
コイコイというのは花札のゲームなのですが、この座布団が勝負の場、という訳です。

モノクロームのこの写真について細江英公氏がTVで話されたことがあって、私はたいそう興味深く聞きました。というのも、この写真は計算され尽くしたセッティングなどではなく、澁澤龍彦と矢川澄子が夜を徹してコイコイをしていて、明け方になって鎌倉の海辺で続きをしよう、と座布団を引きずって移動した時に撮影されたものだと細江英公氏が語られたのです。

「もう二度とこんな写真は撮れないでしょう。」と細江英公氏。



コイコイという遊びは たいそう面白くて、かつてしらじらと夜が明けるまでゲームに興じた経験のある私は、この時間の感じがとてもよく分るのです。
もう今はこの遊戯のルールさえ思い出せないのですが・・

この遊戯を教えてくれたのは草森紳一さんでした。
先日、草森さんは永代橋の家で本に埋もれたまま、下駄とサプライズを残して亡くなってしまいました。

草森さんが「本が崩れる」を出されてしばらく後に、神保町のバーで偶然、この新書の編集者の女性と隣り合わせ、草森さんの近況を伺って、いつか、また、お会いしたいものだと思いつつ、もうそれは果すことのできない望みになってしまいました。


訃報を知って、"海辺のコイコイ"を眺めてみたくなりました。
図録(澁澤龍彦幻想美術館)によるとこの写真のタイトルは"由比ケ浜で矢川澄子とコイコイをする澁澤龍彦"となっていました。私がこの写真をはじめて知った時は"海辺のコイコイ"か"コイコイ"だった気がします。

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2008年04月21日

スイミングプール

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春いちばんのおかいものはスイミングプール。
このボウルの色の名前です。
ネーミングを見て、ええっ?? と思いましたが、使って納得。
野菜を洗ってみたら、、、
光が水に映えて、ボウルはちいさなプールに見えました !
koziolさん、やりますねー

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ついでにこれも。
エスプレッソ用カップ。
持ち手がないかわりにくるっと黄緑色のプロテクターがついてます。

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セールだったので、赤も購入。
カップの ぽってり感が気に入って、エスプレッソだけではなくて、、、

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日本茶にも使い廻しています。
煎茶用とほぼ同じサイズです。
ということは、赤玉瓔珞文のお茶碗も、、、
エスプレッソにも使ってみようっと。

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「スイミングプール」に陽が入ってくれるのは楽しいのだけれど、
西日にサンバイザーが要るキッチン。
豆苗を水に入れて置いておいたら、こんなに成長しました。

2008年04月23日

おいしい薔薇

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オモシロイものがいっぱいある友人の事務所でこの缶を見つけて、
あまりにカワイイので欲しくなりました。

「うん、送ってくれるよ。」と友人はいってたけど、
ROZAのご主人、体調悪く少ししか作れなくて今は地方発送してないそうで・・・
あらら、どうしょう、、と思ったけれど、
待てない私、りりに頼んで買いに行ってもらいました。

で、本日到着。

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ハートや深紅のジャム入りもあったりして、中味の普通っぽさもいい感じ。

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包装紙も薔薇でした。

りりはヘンな蒐集癖ある姉をもってたいへんだーと思ってるだろうなぁ・・

2008年04月27日

うつひてみた

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と、りりの口調を真似て自嘲するしかないVQ1005写真です。

超ピンぼけ。
いつもだと、カメラを向けないものを撮ってしまっています !

手術用のはさみの刃、メモ用紙、水道の栓。



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そして、これはもっとピンぼけ。
地図帖、BURT'S BEEの紙白粉、(上の写真にも刃が写っている)ペーパーナイフ。

いちばん上に乗っかってるのは古いキーホルダー。
せっかく、エッフェル塔なのに、これではまったくわかりませんねー

でもね、カメラがかわると被写体も必然的にかわるのだ、と面白い発見をしました。
トイカメラの魔法 !?

ほんとうは動画モードで撮ったのだけど、、、
なぜかスチールになっていまひた。

2008年04月30日

十年ののち

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草間彌生家具の展示は、一昨年のサローネでもっとも興味深いもののひとつでした。

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会場は『10 corso como
ミラノのセレクトショップですが、彼女の「無限の網」や「無限の水玉」にピッタリの場所でした。

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エントランスにこんな文字が・・

━━展示会場の家具は日本の会社grafで製作されたものです━━

(とはいっても、私、イタリア語ほとんど解りませんのでエエ加減な訳ですが)

grafって???
と、このとき即座にgrafという名をインプット。

そして、不思議なもので、何年か後、お世話になっている坪文子先生にgrafの服部 滋樹さんをご紹介いただいたのでした。




grafの仕事はごく一部しか知らないのですが、それでも、なんか、いい感じでやってるなぁ・・・と思っていたら

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先日、十周年ですって !
これは、graf 10th ANNIVERSARY TEN_PLUS パーテイーのケーキ。
十周年の十を象ったクロス型のケーキは野菜や花に囲まれていました。

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会場内はまるで満員電車の様相。
階段も招待客たちでいっばい。

はじける笑顔がいっばいの会場で「最初の2年間はとにかくお金がありませんでした。一日200円でどうやって食べてこうか、みんなで考えました。」と服部さん。
「みんなのおかげで ここまでこれた10年でしたが、これから先の10年は社会にお返しをする十年にしたい。」
と、叫んでの(マイクを通しても大声で叫ばないと聞こえないほどの盛り上がり ! )ぜんぜん退屈しないgraf代表のご挨拶でした。

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たこ焼きや(さすが大阪 ! )ピンチョス、ちいさなバーガーなど気の利いたしかも気取りのないお料理やデコ。
あの規模のパーティーをみんなの手づくりでやっちゃうなんて、すごいパワーです。

**ディエチ・コルソ・コモ