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オイシイ アーカイブ

2007年03月20日

「お茶漬け」の密かな愉しみ

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パリのおみやげにフォワグラを頂戴しました。
それもアンティエ!!

お料理の専門家には叱られそうだけど、ウチでは、このようにしていただきます。

ごくごく薄くスライスした食パン(パン・ドゥ・ミといった方がいいかなぁ、フォワグラには、、)を軽く焼いて、フォワグラをたっぷりのせるだけ。こうすると、温かなパンの熱でフォワグラが少々とろけておいしいのです。

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とても簡単で美味なこのレシピ(なんて、いえませんよね)を教えてくださったのは、レイコ・クルックさん
造形作家であり、特殊メークアーティスト、私がもっとも尊敬する女性のひとりです。

もうずいぶん前のことになりますが、フォワグラ・アンティエを初めて食べたのは、エッフェル塔のあるバリ7区のレイコさんのおうちに居候をさせてもらっていた時のことでした。当時、レイコさんが一緒に仕事をなさっていたドミニク(・コラダン)が、今日は美味しいものがあるよ、と持って来てくれたのです。

皆でワインとフォワグラとパンをたらふく食べて、「こんな贅沢はない、フォワグラを飽きるほど食べたのだから‥‥」なんて言い合ってお開きになったのですが、「おやすみ」とドミニクが帰ってすぐ、レイコさんがそっと言いました。

「ねっ、お茶漬け食べようか」

さらさらとお茶漬けをいただきながら、今、ドミニクが戻って来たらビックリするだろうね、と言いながらほくそ笑んだのでした。

以来、フォワグラをこうやっていただく度にあのバリの夜を思い出します。

* *

こんなうれしいものを持ち帰ってくださったのは料理研究家の平川敦子さん。
Foie gras de canard entier des Landes !!
重かったでしょうに、ありがとうございました。

それにしても、このテーブルのお皿のコーディネイトは少々変ですね‥‥
よぼど早く食べたかったのでしょうね‥

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2007年04月03日

お花見‥哉

桜、咲いてきましたね。
ここ、神戸でも開花が見られます。

だけれど、季節に先駆けて、先日、こんな、お花見をしてきました。

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旬の味に囲まれて、桜、咲く。なぁんて、ね。

考えてみると、日本のゴハンほど、季節を直に感じさせてくれる料理はありませんよね。
初物を珍重し、眼と舌で愛でる。
眼福。口福。アラカルト。
いえ、やっぱり、「おまかせ」で一足先にお花見を楽しんで参りました。

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花山葵、海老、筍、蛸の手毬鮓。
と、さくら。

せっせと普段「始末」して、偶に、ここに通っております。

玄斎
神戸市中央区中山手通7-5-15
078-351-3585

2007年04月16日

L'oro in cucinaーキッチンの黄金

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一滴でパンがお肉に変わる、という噂の ? 白トリュフのオリーブオイルを試してみました。
正確には、「トリュフ風味」のオリーブオイル、トリュフを搾ってつくったオイルではありませーん。

近所のキムチ屋のオニイサンに貰ったのですが、美食家の彼が今ハマっているのが、これらしいのです。
トリュフというからには、いくらオリーブオイルでも結構なオネダンなので、躊躇していたら
「いえいえ、使うのは、たった一滴ですよ、一瓶で半年は保ちますから」とオニイサン。
迷える子羊? に業を煮やした彼は「施し」をする羽目になってしまいました。
(キムチ屋さんで売っているのではありません、念のタメ。彼はおいしいものを求めてReims詣で邁進中)

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で、私がお返しにプレゼントしたのは、レモン(風味)のオリーブオイル
これはなかなかに使えるオイルです。
キューカンバーサンドなんかにバターの代わりに使えば、キュウリさえいらない ! って感じ。これ、ホントですよぉ。
このオイルとバジルだけのサンドウィッチをつくったことがありますが、おいしかった!

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これ↑は私が収穫したレモン。
と、偉そうにいっても、実は吹きさらしの屋上で健気にふたつだけ実ったもの。
そして、これ↓は手塩に掛けて? 育てているオリーブ。

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フォワグラの次はトリュフなんて、世界三大珍味を網羅しそうな勢いですが、キャビアはゼッタイないですから・・・

2007年05月22日

パセリのブーケ

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パセリを たくさん 貰ったので、「食べるブーケ」にしました。
緑が美しかったので、テーブルに置いています。

だから、ごはんの時はハサミを持って食卓につきます。
ぱちんぱちんと、こんな殺風景なお皿に緑を散らしたりして。

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この一皿は付け合わせの野菜料理ですが、調理の前に、野菜を切って干してあります。
野菜を天日に干すと美味しいよ、と教わったので、即、実行。

こうやって、焼く野菜でいちばん好きなのが、カリフラワーとフェンネルなのですが、オーブンで焼くと火が通り過ぎて、食感がなくなってしまうのが、悩みでした。
だけれど、野菜を干すと、適当なコリコリ感が残るんです !!
あ、フェンネルはどうなるか、わかりません。
最近入手できなくなってしまったので‥
少し前までは近くのマーケットで、フェンネルの(売れ残りの)叩き売りに よく 遭遇していたのですが、あまりに売れなさ過ぎたからか、とうとう、姿を消してしまいました。
売れなくて、叩き売りをしていたので、良かったといえばそうなのですが、いつも、叩き売りでは‥‥ね。

この叩き売りフェンネルには、明らかに私の競争相手が一人いて、30%オフあたりで50%オフを狙って、迷っていると、敵にまんまとフェンネルを持っていかれてしまうのです。この目に見えぬ会ったこともない相手との駆け引きに一喜一憂しているうちに、とうとう、フェンネル御引退。時々、定価で買っておけば、良かったかなぁ‥

あの、アニスにも似た甘い香りが懐かしい。


パセリの話がフェンネルになってしまいましたね。
パセリも細かく切るとオイシイです・・・

2007年06月25日

CLACK !!

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この階段を降りて、テラスを抜けると、待っているのは、「世界一の朝食
・・・らしい。それにしても、お上手な命名です、「世界一の朝食」なんて。

この命名の理由のひとつがこの「飲むサラダ」
数種のフルーツと野菜のジュースです。
確かに、目覚めたばかりの胃には生野菜のサラダより、摂りやすい。

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そして、これは栗の蜂蜜やコンフィチュール。

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ここの「世界一の朝食」は とても好きだったのだけれど、一年振りに来て、ビミョーな違いに正直なところ、少々落胆してしまいました。以前はどんどん、これでもか、というほど持って来てくれた特製ジュースも今回は はじめと最後にどれかを選ぶという具合に。そして、この朝食がよく知られるようになり、それは喜ばしいことなのでしょうが、やはり、通り一遍のサービスに。
贅沢なブランチ、といった空気感がなくなった気がしました。

などと、偉そうに言っても、オーベルジュ形式の このレストランを知ったのは偶然見たTV番組「未来への教室」が きっかけでした。
ここの「世界一の朝食」には本家があります。
「未来への教室」は 本家ブルゴーニュ、ソーリューの「ラ・コート・ドール」オーナーシェフ B・ロワゾー氏が地元の子供たちに食材の旨味と料理の喜びを教える(というより、伝える)という番組でした。

ロワゾー氏は湧き水と市販のミネラルウォーターを子供たちに試飲させて、その印象を尋ねます。
子供たちはおもしろそうに水を飲み、ソーリューの湧き水が美味しい、というのです。
彼は「ラ・コート・ドール」の厨房で子供たちと湧き水を使って「蛙の料理」をつくります。
「水の料理」で有名であったロワゾーさんが私にとって身近になった瞬間でした。

その時から、(夢のように)いつか訪ねてみたいオーベルジュと思っていたのですが、ロワゾー氏の息が掛かった店が神戸にできたときいて行ってみたのでした。そして、お気に入りのお店の1つに。特に、デザートの「砂漠の薔薇」が、ね。
(あ、このデザートはレストランの方です。朝食とは関係ありません。
オーベルジュなので、夜、ごはんを食べて泊まって、朝ごはんが賢い?利用法かも・・)

B・ロワゾー氏は2003年に猟銃自殺をはかり、料理界とは何も関係のない私でさえも衝撃を受け、たいへん残念に思ったことを覚えています。

そんな割と(勝手な)思い入れのある店なので、ガッカリ度が高かったのかもしれません。

でも、せっかく、来たのだから、と以前から気になっていたコレを購入。
器具のまんまるの部分を上に持ち上げて、落とすと・・・
CLACK !!

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ゆで卵の殻が割れる、というものです。
こんな風に、ね。
さっそく、家でも使ってみました。

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B・ロワゾー氏が亡くなられたのは2003年だったのですが、その原因といわれたのが、いわゆる、三ツ星などといわれる料理店の評価。ポール・ボキューズ氏は その死に際して、料理ガイドブックや評論家の役割を非難した、といわれれています。

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BIB:「ラ・コート・ドールは今も三ツ星ですよ」

2008年01月15日

あけまして

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お芽出とうございます

松の内に何とかご挨拶ができました。
松の内って、近年7日までらしいのですが、のんびりと正月15日まで、ということでよろしくお願いいたします。

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これは旧年十月末に、色とカタチに魅せられて買い求めた瓜。
緑の方に尻尾のようなものが‥見えます‥

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この尻尾は、オメデタイ芽。
しばらくコンポートに入れておいたら、なんと、芽が出てきました。

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ただただ置いてあるだけ、お水をあげもしないのに、芽はどんどん成長して、このとおり。
新年になっても、まだ、元気です。

ただ、芽と反比例して本体が・・・段々シワシワとちいさくなってきましたが。

この瓜を買った時、「キレイだから飾っておこう」とつぶやいたら、
お店の方から、「エェ〜、オイシイですから、食べてください」といわれました。
けれど、「はやとうり」の酢の物は、しばらくお預けたみたいです。

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本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2008年04月23日

おいしい薔薇

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オモシロイものがいっぱいある友人の事務所でこの缶を見つけて、
あまりにカワイイので欲しくなりました。

「うん、送ってくれるよ。」と友人はいってたけど、
ROZAのご主人、体調悪く少ししか作れなくて今は地方発送してないそうで・・・
あらら、どうしょう、、と思ったけれど、
待てない私、りりに頼んで買いに行ってもらいました。

で、本日到着。

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ハートや深紅のジャム入りもあったりして、中味の普通っぽさもいい感じ。

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包装紙も薔薇でした。

りりはヘンな蒐集癖ある姉をもってたいへんだーと思ってるだろうなぁ・・

2008年05月05日

ファストフード

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ウチのファストフードな一皿。
「超」が三つくらいつきそうな簡単料理。最近のヒット作です。

耐熱容器にオリーブオイルを塗ってざくっと大きめに切った新玉葱を一面に敷きます。
その上に塩、胡椒をした白身魚をのせて再びオリーブオイルをドバッとかけまわし、250度のオーブンへ。
魚においしそうな色がつけば、できあがりです。

ほんとうに簡単でしょ。
お好みでニンニクやハーブ、トマトなどを加えてくださいね。
写真の魚はヒラメだったので、ピンクペパーをふりました。

新玉葱がとろっと甘くておいしい。
あまりに簡単でおいしいので、今日も作ってしまった !

今日の魚はスズキ。グリーンペパーをガリガリいっぱい挽いて焼きました。
ニンニクやトマトはいれずに作ってみましたが、(というか、忘れてた)やっぱり美味しかった !
連休の手抜き料理にいかがでしょう。

スローフードはまたの機会に。

2008年06月10日

大阪の日本食堂

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グルメにはもの足らないかも、、、しれません。
が、グルマンには大満足なお店です。

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サンパな店内もさることながら、
お一人様ン千円で、と頼むとこれでもか、というほど次々とお料理が運ばれてきます。

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海ぶどうの入った前菜。

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ピッツァア !!!
ぃゃ、ほんとはもっと大きかったのですが、テーブルに置かれた数秒後にはこんな状態に・・・

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おっきな海老フライと、

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スズキのポワレ。
しかし、このあたりになると、「ほんとに一人ん千円なのぉー?」と、顔を見合わせて囁いた4人組でした。

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「これで終わりです」と運ばれてきたビーフシチュウ。
たっぷりのマッシュポテト添え。

気になるオネダン、な、なんと、ここまでで
一人2千円。
土砂降りの雨の日でしたが、オサイフ快晴☀

もう、たいていオナカがいっぱいなのに、ここを紹介してくださった
伊部壽夫さんオススメのこれ↓で〆たい、とオーダー。
でもね、4人のうちの2人に「え˝ぇ〜まだ頼むのォ」と呆れられましたけれど。

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結構辛口、野菜カレー〆。
「じゃあ、2人で食べるからね〜」と宣言したのに、みんなにたっぷり お味見されてしまった。
安い。おいしい。また来たい。と全員にっこりのお店でした。


このひとり2千円コースはいわゆるコース料理ではなく、単品が次々と出てくるっていう感じなのですが、その訳は日本食堂という店名にあり。

ここのシェフはJRの食堂車のコックさんだったのですって。
なるほど、ですよね。

食堂車でこんなメニュ召し上がりませんでした?


日本食堂
大阪市中央区本町橋6-21 MFK本町第一ビルB1F
06-6941-8623
11:30〜14:30 17:30〜
定休日 日曜日(土・祝不定休)

**2千円コースは3人前よりオーダー可(だったと・・いい加減な記憶ですが)



2008年07月30日

いたち

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京都の御方より賀茂茄子とともに届いた「いたち」。
おっきなきゅうりです。
直径6〜7cm 長さは堂々の50cm !
まな板いっぱいの大きさです。
本来はこんな風にいただくのでしょうが、、、

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手っ取り早く、「イタチの醤油漬」に。
盛夏にぴったりの爽やかな一品。またもや、手抜きレシピですが。

ふつうの大きさのきゅうりでもおいしくできます。




続きを読む "いたち" »

2009年01月31日

my funny Valentine

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ようやく、タスクから解放されて、ひさしぶりに外に出ると街はバレンタイン商戦真っ只中でした。
今年は「逆チョコ」もあり、だそうですが、貰うなら、こんなのがいいなぁ・・それも男性版が・・
などとまたアホなこといっております。

ぁぁ、だけど、1月中になんとかエントリーできて良かった !!

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
と、超遅ればせのご挨拶になってしまいました。


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いつも遅れてばかりなので、ちょっと早めのmy funny Valentine

え? 美女チョコのお味ですか?
うまかった、いえ美味しゅうございました。

**画像はバレンタイン商戦とは関係ありません

2009年02月01日

白鍋

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生湯葉をたくさん頂戴したので、うれしくて調理法にあれこれ悩んだ末、「お鍋」にすることにしました。
昆布でひいた出し汁にごく うすくお酒と薄口だけで調えた下地で、生湯葉をサッと泳がせていただきます。野菜は聖護院大根とエリンギのみ。
とてもシンプルなお鍋です。薬味もなし。
ちよっと物足りないかな、と思われるかもしれませんが、生湯葉がどっさりあれば憂いなし。
この冬のヒット作です。

左のお皿のカリフラワーは三五八漬け
この日はお漬物まで白でした。



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白鍋のヒントになったのが、これ。「わたつね」の冬の献立です。
生湯葉と九条葱、聖護院大根、薄揚げのお蕎麦。

京都の友人に連れて行ってもらったのですが、寒〜い京都、あんかけ仕立てをつい頼んでしまいました。
定食なんかもおいしそうで、近くだったら毎日でも行きたい。


「わたつね」
京都、柳馬場三条上ル。
〜20時

2014年06月23日

京都 上七軒

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京都、西陣上七軒
この界隈で生まれ育ったセッチャンの案内です。
上七軒からろおじを入ると・・

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見えてきました、目指すは『糸仙』。
広東料理のお店です。

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のれんをくぐると・・

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ほんに京都っぽいお店どした。

卓に運ばれてきたばかりの一皿。
これ「酢豚」です。
野菜一切なし。
脂身なしの豚肉とパインナップルのみ。
この潔さ。

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この盛りつけの簡素さ。

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かに玉。
ふわ、とろでほろほろととろけるかんじ。
ほそーい春巻きもあって、撮るのも忘れてましたが、その細さの訳は・・
おちょぼ口の舞妓さんにあわせてあるのだとか。

京都河原町にあった『ハマムラ』がなくなってさみしいなあ、などと思っていたので、しみじみおいしおした^^